秋なると一面がまっ赤に染まるくらいに咲く彼岸花。
その景色を見に行く人もたくさんいます。
そんな美しい彼岸花ですが、お墓の近くにたくさん生えていたりして、
なんだかマイナスのイメージもありますよね。
さらには彼岸花には毒があるんですが、
彼岸花にある毒の場所ってどこの部分にあるのだろう?
◆彼岸花にある毒の場所って?
彼岸花の毒は特徴的な花や球根など、
どこか一つの場所に限ってあるわけではありません。
植物全体に毒の成分が備わっている全草有毒と呼ばれる種類です。
ですが、そのなかでも特に鱗茎と呼ばれる球根に多く含まれるとされています。
◆毒の種類は?
その毒の種類は、リコリンやガランタミン、セキサニン、ホモリコリンなど、
数多くのアルカロイドという天然由来の有機化合物である毒素を含みます。
◆毒の影響は?
経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、
中枢神経がまひを起こして死亡するケースもあると言われます。
ですが、彼岸花の球根1グラムに約0.15ミリグラムのリコリンが含まれています。
そのため、人間での致死量は10グラムと言われています。
そのことから考えると、
相当の量を摂取しない限り深刻な状態にはならないとされています。
◆触っても大丈なのか?
彼岸花の毒は花や茎に触れた程度では害は無く、
経口摂取などで体内に入らない限り安全と言われます。
◆真っ赤に彩る彼岸花の群生はただ綺麗なだけじゃない?!
秋の彼岸の時期になると、
水田が広がる一帯ではあぜ道を真っ赤に彩る彼岸花の群生が人々を魅了します。
それらは彼岸花が持つ毒を利用した、
昔の人の生活の知恵に基づいて生み出された美観と言われます。
彼岸花が水田のあぜ道や墓所の周辺に植えられるようになったのは理由があります。
それは主に球根に多いとされる毒の作用を防御のために利用したからです。
・防御とはどういうことか?
彼岸花を水田のあぜ道にびっしりと植えることで、
毒素の多い球根が地中で外敵に対してブロックの役割を果たすのです。
その結果、彼岸花の毒を嫌うネズミやモグラ、虫などを寄せ付けず、
水田の稲が守られることになるというわけです。
墓所も土葬だった時代は、動物や虫による害を防ぐために、
欠かせない防御の役割を果たしていたことがわかります。
◆毒だけじゃない?!
彼岸花は漢方薬に使われることもありますが、
民間療法での安易な利用は危険とされています。
近年ではガランタミンという成分が、
アルツハイマー病の治療薬として利用されています。
◆最後に
墓所に咲く花として不吉なものを感じる人がいる反面、
赤い花と白い花が交互に咲いていると紅白でおめでたいと感じる人もいます。
土手など一面に咲き乱れる彼岸花は秋らしい雰囲気を醸し出し、
観光名所になっている所もあります。
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彼岸花は日本人にとって大切な稲作を守って来た有難い面と併せて、
多面性を持つ深みのある魅力に満ちた花と言えます。