最近は色々なメニューの中に生ハムを見かけるようになりました。
そもそも豚肉って生では食べてはダメなんですよね?
生ハムは豚肉なのに、どうして生で食べられるのだろうか?
という疑問を持つ人も決して少なくないでしょう。
生ハムが生で食べられる理由ってあるんだろうか?
◆豚肉ってやばいんじゃないの?
一般に、豚肉には有鉤条虫と呼ばれる寄生虫が付いていることがあるため、
生では食べることができない食品とされています。
有鉤条虫が問題となるのは、
汚染された豚肉をきちんと加熱せずに口に入れることで、
感染する可能性があることです。
ですから豚肉を食べる時には、
しっかり火を通してから食べるよう注意が喚起されているのです。
ではなぜ生ハムは大丈夫なのか?
「生」なんじゃないの?
◆生ハムが生で安心して食べられる理由とは
それに対して生ハムは、と言えば加熱・殺菌しません。
ですので非加熱食肉製品に分類される食品です。
安全基準として法律により定められている方法で豚肉を塩漬し、
それを低温で燻製にし乾燥熟成させて作られた加工食品であると言えます。
法律では、生ハムを製造する過程における温度の管理や食塩の濃度、
また乾燥の方法など、実に細かな点に至るまで製法が定められており、
それらの基準に従って作られているため、安心して食べられるというわけです。
特に、生ハムの製造においては、細菌の育成を抑える目的で、
水分活性やPH値がしっかり管理されており、
この点も生ハムが生で安心して食べられる理由の一つとなっています。
実際食べてみればよく分かるように、
生ハムは普通のハムと比べてしっかり塩漬けされています。
それだけでも保存効果が高まりますが、更に乾燥させて水分を飛ばすことによって、
より一層保存効果が高まることになります。
実際、バクテリアなどの細菌は、
こうした高い塩分濃度と乾燥によって繁殖が抑えられます。
また、多くのウィルスは塩分濃度が高い状況下や乾燥した環境のもとでは、
それほど長い期間活性を保つことができないと言われています。
そのため、長時間かけてじっくり熟成させた場合、
ほとんどのウィルスは感染力を失ってしまうというわけです。
◆最後に
結論として、
豚肉・・・生
生ハム・・低温処理した加工食品
このように生ハムは、塩と乾燥によって腐敗を防ぐとともに、
長時間の熟成によって豚肉の持つ旨味を凝縮した加工食品なのです。
しかも、焼いたり揚げたりせず、
そのまま生で食べられる大変優れた加工食品であると言えるでしょう。