懲役とか執行猶予とかってよく耳にするんですけど、
執行猶予ってある期間中に何もしなければ無罪になるの?
また執行猶予は刑務所に入る必要がなく普通に生活することなのだろうか?
執行猶予とは 分かりやすくいうとどういうことなんでしょう?
◆執行猶予とは 分かりやすくいうとどういうこと?
罪を犯した人は刑事裁判で有罪判決を受けます。
犯した罪の重さによっては、
刑務所に服役して更生を目指さなければなりません。
例えば。。。
ニュースなどでは
「懲役2年執行猶予3年」などといった感じで説明されることがあります。
懲役2年とは本来、刑務所に2年間入る罪の重さであります。
しかし執行猶予がつくと、すぐに刑が執行されるわけではありません。
3年間の猶予が認められるということです。
3年間全く犯罪に手を染めなかったら刑務所に入る話は無くなるということです。
つまり、決められた一定期間中に新たな犯罪を起こさなければ、
刑事的な罰を受けなくて済むことです。
また、
猶予期間が無事経過することで、
有罪判決がなかったことになり前科も消えるのです。
ただし犯罪を犯した事実が消えるということではありません。
無罪になるのではありません。
あくまで刑の言い渡しはなかったことになるという意味です。
たとえば公務員になるための資格として、
「禁錮以上の刑に処せられ、
その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」
とあります。
これは執行猶予の期間が無事に終わることで法的な前科がなくなり、
公務員になる資格を有するという事です。
◆どうして執行猶予はあるのだろうか?
ほとんどの人は刑務所に入ることを免除されるだけで、
二度と犯罪を起こしたくないと考えるので、自発的に更生することを望みます。
そこで執行猶予には、社会復帰をさせながら更生を促す目的があります。
刑務所に服役すると、その服役期間中は仕事ができなくなるので、
会社をクビになるなどの影響が出ます。
また懲役が終わって社会に出たとしても、
なかなか仕事が見つからず再び犯罪者になる可能性も少なくありません。
そういう観点からいうと身体的な拘束がない執行猶予というのは、
すぐに社会で新しいスタートが切れるので、
心を入れ替えることが比較的簡単であろうという解釈です。
◆どんな刑につくものなのか?
執行猶予が付くのは、
3年以下の懲役・禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡すときです。
また、執行猶予の期間は懲役刑の期間の1.5倍~2倍が一般的です。
以上のことから懲役刑が何十年にも及ぶ重い罪は対象外です。
ですから殺人や強盗などを犯した人は、きちんと刑務所で償います。
逆に懲役刑が短いからといって誰でも執行猶予が付くわけでもありません。
罰金刑のみの前科、あるいは前科なしの人しか対象ではありません。
前科がある人は以前の犯罪を反省していないので、
執行猶予期間に再び犯罪に手を染める可能性があります。
さらには、最終的に判決内容を決めるのは裁判官なので、
刑事裁判で反省していないと見なされると対象者でも執行猶予はもらえません。