香典返しは、故人の冥福を祈ってくれた方への感謝の気持ちです。
このような日本文化におけるやり取りは、
一定のマナーによって円滑化が図られています。
そのため作法を正しく知っておくことは、
今後の人間関係にも大きく寄与していくのです。
では、香典返しをいただいた際には、お礼をする必要があるのでしょうか?
ここを間違えると、大変失礼になってしまいますから、
正確な知識を身に着けていきましょう。
◆香典返しのお礼は必要なのか?
作法としては、香典返しにお礼はいらないとされています。
なぜならその理由として、香典返しに対するお礼という形は、
葬儀においてもっとも忌み嫌われる、重ね言葉に該当することになるからです。
つまり、香典へのお返しという行為に、再びお返しをしてしまうと、
礼に礼を重ねることになってしまいます。
こうした重複行為は、不幸を重ねるという古来からのジンクスに抵触します。
このような理由により、お礼を返さないことがマナーとされているのです。
◆品物を頂いた連絡については?
とはいうものの、せっかく品物を頂いたからには連絡の1本もしたいところです。
この場合にもっともふさわしいのは、はがきを送ることです。
どうしてハガキが良いのかというと。。。
電話というものは、相手の時間を一方的に奪ってしまう行為です。
また、香典返しは通常、一括で郵送されますから、連絡も当然集中します。
親しい人を亡くして意気消沈し、葬儀で疲れ果てたところに、
電話が何本もかかってくるというのは、あまりにも酷な話です。
しかしその点はがきの場合ですと、相手は都合のいい時間に、
落ち着いて読むことができます。
こうした気遣いこそ、遺族への誠意といえるのです。
◆はがきを送る際の注意点
はがきを送る際には、文面を再確認するべきです。
ついついお礼を述べがちではありますが、
実は、それも礼を重ねることになり、マナー違反に他なりません。
例えば。。。
「結構なお品を頂戴いたしまして、ありがとうございます」などという言葉は、
良くないということです。
あくまで、届いたことのみを記し、
故人の冥福を祈る言葉で締めくくるのが最適です。
「最近は季節も変わり涼しい季節になりましたね。
ところで昨日○○が届きました。」
という感じで、遺族の様子を伺う感じのついでにとして、
「届きました」ということを伝えることで十分です。
また、メールやメッセージアプリでの連絡は、格式が低くみられがちです。
相手の気持を損ねないためには、やはりはがきが一番といえます。
細やかな応対を心がけて、人間関係をよりよくしていきましょう。