インフルエンザになると、
・発熱
・頭痛
・吐き気
・嘔吐
・関節痛
・筋肉痛
・悪寒
などの症状が現れます。
節々の痛みと筋肉痛はよく現れる症状なのですが、
これは一体なぜなのでしょうか?
通常、筋肉の痛みというと、
久しぶりにたくさん運動をした後に起こるというイメージがあります。
ですが、インフルエンザを患っている間は当然運動もできませんし、
ただひたすら寝ているだけですよね。
なのになぜ筋肉痛になるのか?
◆筋肉痛は炎症反応?
実は運動やインフルエンザの時の筋肉痛には「炎症」が関係しています。
一般的に運動などによる筋肉痛は筋繊維に傷ができることで炎症となり、
それを修復するための物質が生成されます。
その物質が筋肉を刺激することで筋肉痛が発生します。
つまり「炎症反応」が引き金です。
インフルエンザの場合においてはウイルスに感染して発病します。
そして、ウイルスが体内に侵入したことに対して、
それを排除するための免疫活動が起こります。
その活動が防御反応としての炎症であり、
熱や痛みを発生させて筋肉を刺激するのです。
これがインフルエンザに場合における「炎症反応」となります。
◆炎症とはどのように発生するのか?
まずウイルスを白血球が取り込みます。
その後、免疫活動としてウイルスの侵入を脳に伝えようとします。
その伝達方法として白血球からサイトカインという物質が分泌されます。
そのサイトカインはプロスタグランジンという物質を生成します。
つまりこの「プロスタグランジン」が、
痛みや熱といった炎症反応を発生させているのです。
このように、インフルエンザによる筋肉痛も、
体に備わっている免疫機能から引き起こされていると見ることができます。
違いをまとめると。。。
運動時の筋肉痛は動かした部分の炎症。
インフルエンザの筋肉痛はウイルスに対する防御反応として体全体の炎症反応。
となります。
◆最後に
プロスタグランジンは痛みを発生させるだけではありません。
ウイルスを撃退するには血液の流れを良くしなければなりません。
なぜなら体を作りうる物質は血液を通して運ばれるからです。
通り道がスイスイ流れると必要な物質もスムーズに運ばれますからね。
それをプロスタグランジンが行ってくれて血管を広げてくれます。
そして熱に弱いウイルスを倒すためには発熱も実は重要であり、
発熱させているのもプロスタグランジンです。
このように、プロスタグランジンは非常に重要な役割を担っています。
ですので、体にとっては必要なものであることが分かります。
筋肉痛が現れている間はとても辛いものです。
ですが、インフルエンザが治る過程だと考えて、
上手く痛みを和らげる工夫をしながら対処していくことが大切です。
ちなみに、通常の熱の時よりも、
インフルエンザを発症した時の方が筋肉痛は強く現れます。
これにはきちんとした理由があり、
インフルエンザの時の方が熱が高くなるからです。
熱が高くなるとプロスタグランジンが多く分泌されるからです。