「ご丁寧に」という言葉は、丁寧にごを付けることで尊敬を表す言葉です。
ですから、きちんと使いたいと誰しも思うことです。
使い方を誤ると言葉に込められた気持ちが半減してしまうことにもなります。
ですので、注意が必要となります。
そこで「ご丁寧に」の使い方って?
「ご丁寧にありがとうございます」でいいの?
◆残念ながら良さそうで良くない?
「ご丁寧にありがとうございます」という言葉でいいかどうかなんですが、
残念ながら良さそうで良くない使い方の事例となっています。
・どうして良くないのか?
「ご丁寧」という丁寧な言葉と、
「ありがとうございます」という感謝を表す言葉が続いています。
ですので、とても良い響きがあることは確かです。
しかし「何が」ということが欠落しているところが良くないのです。
つまり。。。
ご丁寧な「何に」対して、
ありがとうございますと言っているのかがわからないのです。
・ご丁寧に+「○○していただきまして」+ありがとうございます
たとえば。。。
「ご丁寧にメールをお送りいただきましてありがとうございます」
この場合であれば、
ご丁寧の対象が「メールを貰ったこと」であることがわかります。
あるいは。。。
「ご丁寧に解説をしていただきまして、ありがとうございます」
というケースですと対象は「解説してもらったこと」となります。
◆「ご」の二重使用について
何に対してとか、主語を入れるときに、
敬語表現が重なり合わないようにすることも大事になります。
・どういうことか?
例えば。。。
・ご丁寧なごメール
・ご丁寧なご解説
という「ご」の重なりは何度もくどく感じます。
ありがたいという気持ちも薄れてしまうということになりかねません。
・ではどうすればいいのか?
例えば。。。
「ご丁寧なご説明をありがとうございます」の場合においては、
「丁寧なご説明をありがとうございます」とします。
後に続く表現につける「ご」には違和感がありません。
◆最後に
最近は、言葉の省略が多くなっています。
そのため「ご丁寧にありがとうございます」と言ったときに、
言った方も聞いた方もあまり違和感を感じないことが多いのかもしれません。
しかし、よく考えてみれば、肝心な部分が欠落しています。
「あれ?なにに対してのありがとうなんだろう?」となりかねません。
お互いに、なにに対してかが分かればいいじゃないか?と思うかもしれません。
しかし正しい日本語、正しい言葉の使い方があって初めて省略があるのです。
基本的な使い方は現代の日本語で気を付けなければならないことで、
疎かにできないところなのです。