年賀状は、普段から良くしてもらっている人だけに限らず、
久しくお会いしてない人に対しても、
最近の実情を知らせることができる年始の挨拶状といえます。
ですから、マナー違反などといった失礼のないように したいもの。
とはいえ。。。年賀状を書く際には悩みがちな文面の問題。
どういう言葉を組み合わせれば、
意味として間違ったものにならないのでしょうか?
例えば。。。。
「謹賀新年」あるいは「あけましておめでとうございます」という言葉は、
賀詞(がし)と呼ばれており、
年賀状ではよく書かれる決まり文句となっています。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」は重複するのでしょうか?
◆重複するのでしょうか?
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」は重複するのでしょうか?
まず、結論からいえば。。。
「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」
という言葉は、意味が重複しています。
「謹賀新年」の意味とは「謹んで新年をお祝い申し上げます」となります。
対して、
「あけましておめでとうございます」の意味とは、
「年が改まって新しい年になり、おめでとうございます」という意味。
ですから、「謹賀新年あけましておめでとうございます」と書いてしまうと、
「おめでとうございます」という意味を重複していることになるのです。
この「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」という、
ふたつの文句を一枚の年賀状に書くことは、
年賀状の常識から外れているということになりマナー違反となるのです。
◆謹賀新年だけを使っておけばまず間違いない?!
さて「謹賀新年」と「あけましておめでとうございます」の二つは、
ほとんど同じ意味ですが、そこには大きな違いがあります。
それは、敬意の度合いが違うということです。
・敬意が違うとはどういうことなの?
賀詞(がし)には種類があります。
・「寿」「迎春」などといった1から2文字のもの。
・「謹賀新年」という4文字のもの。
・「あけましておめでとうございます」という文章のもの。
これらのうち「謹賀新年」を代表とする四文字の賀詞は、
目上の人にむけて用いられる賀詞となっています。
その反対に、「寿」「迎春」などといった、1から2文字の賀詞は、
目上の人に書く場合にはふさわしくありません。
それに対して、
「あけましておめでとうございます」のような文章の賀詞は、
誰にあてても失礼にはならない賀詞となっているのです。
ですから、どのような場合であっても、
「謹賀新年」あるいは「あけましておめでとうございます」
という賀詞のどちらか一方を使えば失礼になることはないということになります。
ただし、明らかに目上の方の場合。
たとえば。。。
取引先などには謹賀新年等の四文字の賀詞を用いるのがよいでしょう。
このように考えていきますと結局のところ、
謹賀新年だけを使っておけばまず失礼にあたることはないということになります。
◆最後に
近年では一枚一枚の年賀状を手書きするということも少なくなってきました。
年賀状の一言として肉筆で添えることがあったとしても、
賀詞の部分まで一枚一枚書くことは、だいぶ減ってきたといえるでしょう。
つまりパソコンで賀詞等を書いて、一括で印刷することが増えたのだといえます。
そういった場合は、
いちいち賀詞を敬意によって変えるのが手間になってしまいます。
賀詞は「謹賀新年」と決めておけば、相手ごとに賀詞を変える必要はありません。
また、こういった意味の重複に悩まされることはなくなるでしょう。