もち米を炊くときに水洗いをします。
手順として、その後、炊くまで水につけたままではなく、
ざるにあげることが良いとされています。
別にざるにあげなくてもいいんじゃないだろうか。
水につけたままのほうが滑らかな食感のお餅になるんじゃないのだろうか。
もち米を水につけたままではダメなのでしょうか?
ダメな理由はどうしてなのか?
◆もち米をざるにあげる理由はどうしてなの?
もち米を、洗って水につけたままではどうしてダメなのか?
その理由として、もち米は水の吸収率が高いからです。
・水の吸収率が高いとどうなのか?
長い時間を水に浸し過ぎると、
もち米を炊いた後にべっちゃりとした状態になってしまいます。
もち米を使ったおこわを炊く時は、
べっちゃりした食感よりも、少しかためのほうが美味しいのです。
もち米はでんぷん量が多く粘りも強いので、
通常の米よりも水に浸す時間が長いほうが良いんじゃないかと考えがちです。
しかし、もち米をざるにあげる前に水で米を洗う段階があります。
水につけた時点から、もち米は水を吸収しはじめます。
それだけで、もち米は表面に湿り気を帯びるようになるのです。
結果、もち米は十分な吸水ができているのです。
そのため、もち米を水につけたままにしておくと、
炊飯用の水まで吸い込んでしまいます。
そうなると表面と芯の部分の吸水の度合いが異なってしまいます。
・異なるとどうなるのか?
水に接している表面のほうが吸水率が高くなってしまいます。
その結果、もち米を炊いたときに硬さが異なってしまうことになります。
そうなると、せっかくの食感を損ねてしまうことがあるのです。
さらに、ざるにあげている間も、表面についた水分を米は吸収しています。
ですから、乾燥していないかを注意しておくことは必要なのですが、
上記の理由により水に全てを浸す必要はありません。
・風味を損ねてしまう
また、その他にざるにあげる理由として、
もち米は水に浸したまま1時間ほど過ぎると、発酵を始めてしまいます。
発酵が始まってしまうと、
風味も損ねてしまうのでざるにあげたほうがよいとされています。
そのため、水でもち米を洗ったら、
ざるにあげるようにして必要以上に水分を吸収させないことが大事なのです。
◆滑らかなお餅を作りたい時はどうするの?
もち米を炊いた後に、餅にする場合は、滑らかな食感を好むことがあります。
滑らかさを出すために水に長くつけておいたほうがいいと考えがちです。
ですが、水に長くつけることで米そのものが傷んでしまうことがあります。
傷むということは、味そのものも落ちてしまうことになります。
滑らかな食感の餅にしたいときは炊くときに水を大目にするようにします。